寵愛の姫 Ⅰ【完】

怪訝―叶side―




第一印象は、不思議な女。




ナンパ男に連れて行かれそうになっていた時は、あんなに怯えていたのに、



次の日には、昨日と同じ場所に平然と座ってた。



…こいつ、ナンパ待ちか?



ふと、俺の心の中に昨日の女――莉茉に対するそんな疑心が沸き上がる。




「……。」


―――でもちげぇ。



あいつの瞳がそんなんじゃねぇって語ってた。
< 34 / 381 >

この作品をシェア

pagetop