寵愛の姫 Ⅰ【完】



「…莉茉…。」



暁の顔が歪む。




ーーー悲しそうに。


ーーー苦しそうに。





遣るせないような、そんな混じりあった感情が暁の瞳に宿る。



「……ねぇ、そんな顔をしないでよ…。」


震える手で暁の頬を撫でた。



お願いだから、




…………私と出会った事だけは後悔しないで。
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