寵愛の姫 Ⅰ【完】



「―――お前さぁ、莉茉ちゃんを追いかけてどうするの?」


「…それは…。」


「“ごめん”なんて在り来たりな台詞でも言うつもり?」


「……。」



黙り込む叶。




…………図星、か。




俺は溜め息を吐く。



「…諦めろ、叶。」


「え?」


「莉茉ちゃんはそんな事を望んでない。」



きっぱりと俺は言い切った。
< 346 / 381 >

この作品をシェア

pagetop