寵愛の姫 Ⅰ【完】



「……諦める?」



叶の瞳に強い光が宿る。



「っ、あいつは、莉茉は俺が初めて惚れた女なんです!」


「……。」


「それを諦めろ?」



ぎらぎらとした叶の瞳。



「…っ、あいつを忘れる事なんか俺には出来ない!!」



吐き出される悲痛なまでの叶の莉茉ちゃんへの思い。




でもさぁ、



そんなの今更なんだよ。





…………お前は遅すぎた。
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