寵愛の姫 Ⅰ【完】



「……そうか。」


そんな叶を、冷めた目で見つめる俺の表情が変わり、“裏”の雰囲気を醸し出し始めた。



「―――彼女は、俺の主である暁さまの寵妃だ。」


「っ、!」



叶が目を見開く。



「っ、本当に、莉茉が…?」


「叶、暁さまが戯れで女を側に置くとでも?」



うっすらと叶へと微笑んだ。
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