寵愛の姫 Ⅰ【完】

甘さ





「落ち着いたか?」



優しく頭を撫でてくれていた暁が、私の顔を覗き込む。



「…うん。」



心配そうな暁の瞳に、こくりと頷く。





それから、そっと凭れ掛かっていた身体を離した。





部屋に戻って来てからも、暁はずっと泣き続ける私を抱き締め続けてくれていて…。



…………その温もりに凄く安心した。
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