寵愛の姫 Ⅰ【完】




申し訳なさに俯く。



「―――確かに、莉茉が叶の事を考えるのはムカつくな。」


「っ、」



ずきりと胸が痛い。




涙が込み上げる。



「…莉茉、顔を上げろ。」


「……。」




首を横に振った。




絶対に、酷い顔をしてる。




暁には見せられない。
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