寵愛の姫 Ⅰ【完】



「っ、」



頬に熱が集まる。





彼は、


……私にどこまでも甘い。






その触れてくる手も。



……その眼差しさえも。




ガラス細工のように大切に、丁寧に私を扱ってくれる。



「……莉茉。」


「……。」



ゆっくりと近付く暁の顔を、瞳を閉じて私は受け止めた。
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