寵愛の姫 Ⅰ【完】




お互いの存在がこの場に、確かにあるんだって事を分からせたくなる。




そうしないと、莉茉が消えちまいそうで…。





初めて、



……失う事の怖さを知った。



「……暁。」



それだけで、莉茉は本当に嬉しそうな顔をする。





そんなお前が、



……本当に愛おしいくて仕方がない。



「…だから、暁がやくざでも私は怖くないんだよ。」



にっこりと莉茉が笑った。
< 370 / 381 >

この作品をシェア

pagetop