寵愛の姫 Ⅰ【完】



「諦めろ。」


「……え?」


「お前は俺と一緒に風呂に入るんだよ。」



妖艶な笑みを浮かべる暁。



「っ、!!無理!」



私は涙目を浮かべた。



「…何で?」



バスルームで下ろされた私の顔を暁が覗き込む。




もう着いてたんだ…。



…全く気付かなかった…。



「莉茉?」


「…だって…。」


「だって?」


「……恥ずかしい…。」



私は目線を伏せた。
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