寵愛の姫 Ⅰ【完】




「…何で、莉茉はそんなに縮こまってんだよ?」



湯船の中で膝を抱え、丸まる私を見た暁は呆れたような表情を浮かべる。



「…恥ずかしいんだもん。」



頬を膨らむませた。




平然としている暁の方が可笑しいんだよ!



「今更だろ。」



鼻を鳴らした暁が自分の髪を撫で上げる。



「…あっ。」



その時、不意に目に入った暁の“それ”に私の視線が釘付けになった。
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