寵愛の姫 Ⅰ【完】



「うん?どうした?」



不思議そうな暁の“それ”に私は手を伸ばす。



「……ピアス。」



濃い青紫のピアスが暁の耳元で輝いていた。



「…綺麗…」



うっとりと見惚れる。



「…あぁ、アメジストのピアスな。」


「アメジスト?」



ピアスから暁に視線を向ければ、私を優しい眼差しで見つめていた。
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