寵愛の姫 Ⅰ【完】




「ゲホッ!」




ぽろりと無意識に零れ落ちた本音に天野さんがむせ込む。




「だ、大丈夫ですか?」


「…………。」




何度も咳き込むから心配になり天野の顔を除き込めば、なぜか睨まれる。




「お前っ!!」



「はい…?」



天野さんの睨みに、意味が分からない私はきょとんと目を瞬かせるしかなかった。
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