寵愛の姫 Ⅰ【完】

逢瀬―叶side―




それからも俺は毎日、莉茉の元へと通った。



「…叶、


お前何時もどこに行ってんだ?」





そんな俺に目敏い“仲間達”が気付かない訳もなく……。




仲間の問に、内心でぎくりと身を強張らせる。



「……叶?」



怪訝そうな仲間達の顔。



「……別に」



俺は曖昧に言葉を濁して、そのまま溜まり場を後にした。
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