寵愛の姫 Ⅰ【完】



じっと、その背中を見つめる。



「……莉茉」



その名前をそっと呟いた。




どうして、こんなにも君が愛おしいんだろう。



「――あ、」



莉茉が俺に気が付いたのか、その視線を俺へと向けた。



その顔に、小さな笑みが浮かぶ。







莉茉、



ーーーー早く、俺の女になれ。
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