寵愛の姫 Ⅰ【完】



「あの、天野さん…?」


「……。」




もう一度、私が名前を呼べば天野さんの瞳に強い光が宿る。



「莉茉」


「はい…?」


「明日は暇か?」


「……明日、ですが?」




思いがけない天野さんの問いに、私は目を瞬かせた。
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