寵愛の姫 Ⅰ【完】




絶対に、顔が赤い。



自分でも、熱が頬に集まるのが分かる。



「っ、」



―――恥ずかしすぎるよ。



居た堪れなさに、肩を震わせた。




「…なら、9時にここで待ち合わせな。」




ふわりと私の頭に触れる温かくて、大きな手。




「……。」



恐る恐る顔を上げれば、天野さんが嬉しそうに笑っていた。
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