寵愛の姫 Ⅰ【完】




「茉莉ちゃん、どうしたの?」



リビングから顔を出したお母さんに、携帯を仕舞って振り返る。



「ううん、何でもないよ?」


「そう?」


お母さんの顔が和らぐ。



「茉莉ちゃん、お父さんと出掛けるけど、一緒に行かない?」


「うん、行く!」



にっこりと微笑むと、お父さんが待つリビングへと足を進めた。
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