寵愛の姫 Ⅰ【完】

耐久―叶side―




「…っ、眩しい。」



照るつける太陽に顔を顰める。




それでも、この場所を動かないのは、君を待っているから。




……早く来い、莉茉。



「……、」



何度となく、腕の時計の針を確認してしまう。



そわそわと落ち着かない。



「ふっ、餓鬼じゃねぇだろ。」



思わず、自嘲の笑みが溢れた。
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