寵愛の姫 Ⅰ【完】




「…お前、軽すぎだろ。」



こいつ、ちゃんと飯を食ってんのか?


……細すぎだろ。



「…そんな事ありません。」



莉茉が目線を俺から逸らす。



「…それより、天野さんが急に抱き上げるから驚きました。」



頬を莉茉が膨らませる。



「ふっ、悪かったな。」



ぽんぽんと(むく)れる莉茉の頭を撫でて、俺もバイクに跨がった。
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