寵愛の姫 Ⅰ【完】

遠出




「……海?」



目の前の光景に見惚れる。




天野さんが連れて来てくれたのは、私が住む街から少し離れた海だった。



「…嫌いか?」



不安そうな天野さんが私の顔を覗き込む。



「…え?」


「海。」


「…いいえ。」




私は首を横に振った。
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