寵愛の姫 Ⅰ【完】




「天野さん!」



天野さんの裾を引っ張る。




「どうした?」


「もう少し、海に近付いても良いですか?」


「……あぁ。」




子供のようにはしゃぐ私に天野さんが穏やかな表情を浮かべた。



「わ~!!」



寄せては返す波。




知識でしか知らなかった海に、胸が弾む。
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