Dilemma
突然の出来事に、愛梨は思わず唖然としてまう。

何なんだいったい。
今、何が起こった。

生徒達はキャーキャー言いながら廊下へ避難し、先生はただオロオロしているだけだ。

オイ先生!あんた教師だろ何とかしろよ!

そんな心の叫びも空しく、先生は残っている生徒に避難を命じている。

「…アンタ…」

「っひぃぃ!?」

突如、もくもくと砂埃が舞う中から、にゅっと白い手が伸びてきた。


「…もしかして転校生?」

「そっそうですけど…」

「ふーん…」

女子生徒は不敵な笑みを漏らしながら、ずいっと愛梨に顔を近付けた。

「!?」

「ウチ京都から来た沖田棗いいますねん。よろしゅう。」

「よ…よろしゅう」

つられてへらっと笑いながら返事をしてしまった愛梨だった。




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