Dilemma

そんな彼女の様子に、棗はすっ…と目を細めた。

「…噂通り頑丈に出来てるみたいやね?安心したわ。」

ぽたり、

志暢の頬から赤い、血が流れた。

「!」

棗はどこからともなく取り出した繊細な絵が描かれた扇子を、ぱたりと閉じた。


「大概のことでは、死にそうにもないわ」


棗は面白そうに笑った。

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