Dilemma
「うそ…なんで…」

「よく考えてみろよ。ここ3階だぜ?入ってきたとき地上から登ってきたってことだろ、そんな奴が落ちたってそうそう死なないって。」


「落とした本人がそれ言う?」

転校早々、ヤバい(かなり)奴らに出会ってしまった、と愛梨は思った。

しかしこの出会いは必然だったのだと、今なら思える。



昼休み。


「あ~あ。ハゲた先生には叱られるし、あの女には逃げられるし、ろくなことがねーな。なぁ?」

「うーん。そうだね」

食堂で昼食を取りながら、志暢はブツブツと愚痴を言っていた。
ちなみに、今日のメニューは『ねぇ知ってる?ホタテと貝柱は同じなんだよ』丼だ。

「普通に海鮮丼って言えばいいのに…」

「あ?なんか言ったか」

「はぁ、何もないよ~っと」

愛梨もカレーに手をつけた。

「うん、辛さ絶妙。」

「凡メニュー…」

「何か言った?」

「…何もねーよ。バーカ。」

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