Dilemma

「とにかくだ!お前らもう今日1日私に話し掛けるな!いいな!」

お前らといるとろくな目に遭わん!とぷりぷりしながら志暢は去っていった。


「…………………」

ふいにぽんっ、と肩に手を置かれる。

「…何、沖田さん」

「気にせんほうがええよ。人を怒らせた時は、どう謝って許してもらおうか考えたらあかん。問題は今後同じ過ちを繰り返えさん為にどうすべきか考えることや…」


そもそも志暢を怒らせることになった発端はお前だし、原因の70%位もお前だし、お前だけにはそんなこと言われたくないし、













なんて、この女の前では一生言えないんだろうな、と愛梨は思った。


「あ、せや。一つ言い忘れてた。」

棗は愛梨と向き直った。


「沖田さん、じゃなくて棗でええよ、愛ちゃん!」

あ、この女には一生勝てないな。
と愛梨が確信した瞬間だった。

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