Dilemma
「まぁいいや。頑張れとだけ言っておくよ。じゃあな。」
「えっ?あっちょっと待って!!」
「わりぃな。助けたいのはやまやまだが、私は今負傷していてな、顎。」
「はい?顎?」
「アディオス。」
「ちょっ…えええぇー!?」
志暢は宣言通り、本当に見捨てて行ってしまった。
残された少女は取り乱し、やがてガックリと肩を落とした。
高蔵志暢という女はそんなに優しくはない。
つまりはそういうことなのだろう。