Dilemma
「ぶっ?ぶぶぶぶっ?!」

「そんな驚くようなことでもないだろ…」

必要以上に驚く愛梨に、志暢はうんざりとした口調でツッコむ。

「ウチ的には志暢ちゃんがええと思うねんけど。な、部長」

「おい今度はシンキングタイムさえ無しかよ!だから勝手に私を部長にすんな。」

「あ~私も志暢でいいと思う。」

控え目ながらもしっかりと自分の主張はする。それが久堂愛梨という女だ。

「やめろ!私は部長なんてなりたくない!」

「ウチだって嫌やわ。面倒臭そうやし」

「私もやりたくないなぁ。何かと部長の責任にされるし…」

想像はしていたが、やはり部長に立候補する者はいなかった。

「でも棗が部長になったら、絶対王政とかやりそうだよね」
「ん?」
「ごめんなさい。」

「志暢ちゃんなら仕事しなさすぎて置物部長、とか呼ばれそうやな。」

「おいさより女」

「私は?」

「地味」
「地味」

「ダブルパンチ!!?」

自分で聞いといて勝手に撃沈する
それが久堂クオリティ。

< 42 / 115 >

この作品をシェア

pagetop