Dilemma

「あの…茉夏ちゃん?ちなみにどうしてそんなにも志暢のことを…」

「私、この間のことで感動したんです!」

愛梨の問い掛けに河森は鼻息を荒くして答える。


「木の上で身動きが取れない私を一度は見捨てて去っていったんです!」

「衝撃の事実!」

愛梨が驚いて志暢を見るも、志暢は平常心を保っている。
この女、やはり大物だ。

「でも、そのあと結局戻ってきてくれて…地面に落ちる寸前、華麗に駆けつけて私をキャッチ!!…一度は見捨てても最後にはきっちり助けてくれたドSな高蔵先輩に私は感動したんです!」

「志暢、とんだ変態に好かれちゃったね」

ドンマイ!と背中をバシバシ叩いてくる愛梨に、最高にイラッときた志暢だった。



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