Dilemma
「志暢せんぱーい!こっちです!」

都内某ショッピングセンター。
河森茉夏は手をブンブン振りながら志暢の到着を喜んでいた。


「…帰りたい」

「元気だしなよ…これが改生会最初の依頼なんだし。というか何で私まで…」

河森が志暢とデートがしたい、と言ってきたのだから自分は関係無いのだろう。
と、帰ろうとした愛梨を志暢は決して許さなかったのだ。


「ひとりじゃ心細いだろ!」

「だからツンデレか!!」


改生会にとって一番最初の依頼。
やはりこのメンバーじゃろくなことにならないだろう、ともう既に不安を覚えているのだった。


「愛梨」

「今度はなに?」

「トランシーバーだ。」


「ケータイでいいだろ!!」

言うわりには結構コイツノリノリじゃねえか、と愛梨は思った。





「志暢先輩ここ入りましょ!」

河森は喫茶店を指差した。
「ここ行きつけなんです!」と志暢の背中をぐいぐい押して中に入った。


『…こちらコードネームツンデレラ。これより喫茶店に入店する。応答せよ地味。』

「やっぱお前楽しんでるだろ!」
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