Dilemma
第5刻・時を越える魔女
「ふぁ…あ暑ぅ…う~っん」


ぐぐっと背伸びをする。
夏服に衣替えした制服を身につけ、愛梨はひとり通学路を歩いていた。


今日は志暢にも棗にもまだ遭遇していない。


春は終わり夏が近付いてきている。
パタパタと手で扇ぐ。


「静かな朝って良いなぁ~…」


「おはようございます!」


「うわきた」


矢先、愛梨の短い静穏は終わった。
後輩の河守茉夏ことナッツだ。
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