Dilemma
あれからも二人は引き続き、ぎゃーぎゃーとコント調の会話を続けていた。
が、だんだんとヒートアップする二人に苦言を呈してきた者がいた為、とりあえず教室に入った。


「…………」

「…なんだよ。」

愛梨は妙にソワソワとして席に座っていた。
志暢が胡散臭そうな顔で愛梨を見る。

「私…人見知りでさ。その…」

「コミュ障」

「違うわ!コミュ障じゃないもん。」

「…違いねーだろ。」

呆れたように志暢はぷいっとそっぽを向いた。


「というか、何で隣の席に座ってんの」

「…昨日遅刻したから自分の席が分からん」

「出席番号順だよ。帰った帰った。」

「周りに知り合いいねぇんだよ!寂しいだろ!!」

「お前さっきと態度全然違うじゃねーかよ!」


さっきまでの邪険な態度は何処へ行ったのか。
昨日と今日で一年間分のツッコミをしたかもしれない、と感じた愛梨だった。



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