Dilemma
「人の気遣いがわからんのか、お前ら」

「不法侵入される側の気持ちがわかんないんですかねぇ…先輩たちには」


結局ティーパーティーに加わり、愛梨は先輩らに不満を漏らす。



「高蔵はきっと大丈夫だろう。だから心配するな。」


「…そうですよね。」


「…しかし」


里美は渋い顔をした。


「これは不味いな。」

「…うん、相当不味いよ。」


「え、お茶が?」


「違うわ!お茶の話じゃねーよ!…高蔵のことだ。」


「今先輩たち大丈夫だって言ってたじゃないですか…」


「そりゃ高蔵自身は平気だろうよ。だが問題はそこじゃない。生徒会だ。」


里美はそう言ってスッと視線をドアの窓へと向けた。


「これ以上騒ぎが大きくなるのならば、必ず生徒会に目をつけられるだろう。」


「…生徒会って…会長とか副会長とかのアノ?」


「そうだその生徒会だ。我が紫ノ宮には生徒会執行部が存在する。ちなみに」


そこまで言って、里美は静かにティーカップに口を付けた。


「この学園に、生徒会長は存在しないがな。」


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