Dilemma
志暢を乗せたバイクは、とある公園の前で突然止まった。


草木が生い茂り、人気の無い静かな公園だ。


「ヘイマブダチ。どこなんだいここは。」

志暢は既に地面に下り立った若宮に、志暢は半笑いで聞く。


「どこって公園だ。さ、行くぞ相棒!」


マブダチの次は相棒か…と志暢はヤレヤレと若宮の後ろをついて行った。背後からは子分たちもついてきていた。


志暢はキョロキョロと辺りを見渡す。
公園自体はあまり整備されていないらしく、設置されている遊具は錆びて茶色く変色し、まるで何年も忘れられたおもちゃのようだと思った。

風が吹けば、古びたブランコがキィキィと耳障りな音を響かせる。



遊具の横を通り抜け、しばらく歩くと奥にも道が続いていることに志暢は気付く。


「…あ」

志暢はあるものに気付いた。
奥の道へと入る入り口に、公園全体の地図及び見取り図が設置されているのだ。



志暢はそこで始めてこの公園の正体を知った。

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