もっと、君に恋していいですか?
「津村さん…ここ、会社です…。やめて下さい…。」

「会社じゃなければいいの?」

「……それもダメです…。私が好きなのは…津村さんじゃない…。離して下さい…。」

薫は弱々しく呟いた。

「オレはあきらめないよ。薫ちゃんがオレを好きだって言うまで。」

敦が薫からゆっくりと離れると、薫は何も言わずに敦に背を向けて階段を降りた。



敦と別れてSS部に戻った薫は、ぼんやりとパソコンの画面を眺めていた。

ノロノロとキーボードを打つ薫を、梨花が心配そうに見ている。

「卯月さん、大丈夫ですか?」

「うん…。」

「大変だったでしょう?お疲れですよね。」

「うん…。」

心ここにあらずの薫の様子に、梨花はまた心配そうに薫の顔を覗き込む。

「何かありました?」

「……うん…。」



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