もっと、君に恋していいですか?
梨花の剣幕に後ずさりながら、志信はとりあえず梨花を部屋に入るよう促して、コーヒーを入れた。

梨花はコーヒーを飲むとほんの少し落ち着きを取り戻した。

それでも責めるような目で志信をにらみつけていつもより低い声で呟く。

「笠松さん、合コン行ったんですか?」

「ああ…うん…。」

「仲良くなった女の子と、二人で飲みに行く約束したんですか?」

「仲良くってほどでもないよ。新入社員の頃の配属先の後輩だって。入れ違いだったらしいけど、共通の話題があったから少し話しただけだし…。」

「でも、二人で飲みに行こうって言われて、うんって答えたんですよね?」

「誘われた時は適当に返事したけど…別に二人で飲みに行こうとも思ってない。その子に興味ないし。それに、合コンには行ったけど…我慢できなくて途中で帰った。」

「我慢できなくて…?」

「同僚に、薫の事を悪く言われて。」


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