もっと、君に恋していいですか?
梨花は薫から受け取った袋を取り出して、志信に差し出した。
「これ…何?」
「髪飾りです。卯月さんからもらったんですけど…これ本当は、加賀美の事務員さんが“好きな人のためにキレイになるのも、素敵な事よ”って、卯月さんにプレゼントしてくれた物らしいんです。でも…卯月さん、私にはもう必要ないみたいだからって…私なんかには似合わないしって…。」
志信は袋の中のシュシュを取り出して、ジッと眺めた。
(キレイな色だな…。これつけた薫、かわいいだろうな…。似合わなくなんかないよ…。)
「卯月さん、笠松さんが幸せなら、それでいいんだって…。少しの間でもすごく大事にしてもらえて幸せだったから、それだけでもうじゅうぶんなんだって…。本当は大声で泣きたいはずなのに、無理して笑って…泣いてました…。」
(薫…泣いてたのか…。)
つまらない意地を張って子供みたいにムキになって、薫を泣かせてしまった事に、志信の胸はしめつけられるように痛んだ。
「これ…何?」
「髪飾りです。卯月さんからもらったんですけど…これ本当は、加賀美の事務員さんが“好きな人のためにキレイになるのも、素敵な事よ”って、卯月さんにプレゼントしてくれた物らしいんです。でも…卯月さん、私にはもう必要ないみたいだからって…私なんかには似合わないしって…。」
志信は袋の中のシュシュを取り出して、ジッと眺めた。
(キレイな色だな…。これつけた薫、かわいいだろうな…。似合わなくなんかないよ…。)
「卯月さん、笠松さんが幸せなら、それでいいんだって…。少しの間でもすごく大事にしてもらえて幸せだったから、それだけでもうじゅうぶんなんだって…。本当は大声で泣きたいはずなのに、無理して笑って…泣いてました…。」
(薫…泣いてたのか…。)
つまらない意地を張って子供みたいにムキになって、薫を泣かせてしまった事に、志信の胸はしめつけられるように痛んだ。