もっと、君に恋していいですか?
「嫌いになんてならないよ…。オレの方こそ嫌われたのかと思ってた。子供みたいに嫉妬してひどい事言って…バカみたいに意地張って素直に謝れなくて…ホントにごめん…。」

「嫌いになるわけないよ…。志信が好き…。大好き…。志信じゃないとダメなの。志信がいないと、私…。」

薫は志信の胸に顔をうずめたまま、時おりしゃくりあげながら、志信への想いを素直に言葉にした。

「オレがいないと…寂しい?」

「うん…。すごく寂しい…。ずっと寂しかった…。すごく会いたかった…。」

薫がそんなふうに想ってくれている事がたまらなく嬉しくて、素直な薫が愛しくて、志信の胸の奥がキュッと音を立てた。

(今のヤバイ…。すっげぇときめいた…。めちゃくちゃかわいい…。)

志信は靴を脱いで薫を抱き上げ部屋に入ると、ベッドに腰掛け、薫を膝の上で横抱きにした。

「オレも寂しかった。寂しくて、薫の事ばっかり考えてた。オレは薫が好き。めちゃくちゃ好き。薫を悲しませるような事はしないって約束したのに…泣かせてごめんな…。」

「うん…。」


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