もっと、君に恋していいですか?
薫が少し唇をとがらせると、志信は少し笑ってその唇にチュッと口付けた。

「そういう薫も好き。オレより仕事が大事なのかなってガキみたいな事思ったりもしたけど…仕事してる時の薫、オレやっぱり好きだよ。」

志信は薫をギュッと抱きしめて、首筋に鼻先をくっつけた。

「あの…ごめん、まだシャワー浴びてないから…。」

薫が慌てて志信から逃れようとすると、志信は薫を逃がさないように腕の中に閉じ込めた。

「頑張って仕事した後の薫の匂いも好き。オレの好きな薫だって嬉しくなる。」

「汗臭いのに…?志信…やっぱり物好き…?」

「物好きじゃないよ。薫好き。」

「何それ…。」

照れ臭そうに呟く薫の頬を愛しそうに撫でながら、志信はためらいがちに尋ねる。

「薫はさ…オレの事、ホントに好き?」

「…疑ってるの?」

怪訝な顔で尋ねる薫に、志信は慌てて言い訳をする。

「そういうわけじゃないよ。たださ…薫はホントにオレで良かったのかなって、なんか自信なくなって…オレばっかりが薫の事好きなんじゃないかって…。」


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