もっと、君に恋していいですか?
「だってさ…ガキみたいな嫉妬して、ひどい事言って、薫泣かせて…。オレなんかのどこが良くて好きだって言ったんだろって…。」

「どこがって…一言では言い表せないけど…優しいし…私の事、ちゃんとわかってくれるし…一緒にいるとホッとするし…素直で正直だし…全部好きだよ。」

「それがなかなか素直になれなくて、薫を悲しませちゃったんだけどな…。」

志信はバツが悪そうに目をそらした。

「薫さ…アイツとはなんにもないの?」

「アイツって…津村さん?」

「うん…。加賀美にいる間、アイツに何もされなかった?」

薫は少し首をかしげて困った顔をした。

「うーん…結果的には…。」

歯切れの悪い薫の言葉に志信は顔をしかめる。

「結果的には…って、どういう事?」

薫は少し目をそらして口ごもる。

「薫、正直に言って。」


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