もっと、君に恋していいですか?
薫は差し出された袋を受け取り、シュシュを手に取った。

「これ、つけて行けば?」

志信は淡いピンク色のシュシュを薫の手から取って、薫の髪を束ねた。

「ホラ、すごく似合う。」

「ホントに?」

「うん、めっちゃかわいい。あ、でもオレ下手だから、ちゃんとキレイにやり直して。」

「うん。」

薫が笑ってうなずくと、志信は薫の頭を優しく撫でた。

「見てる人は、ちゃんと薫の事、見てくれてるんだな。なんか嬉しい。」

「そうだね…。これくれた加賀美の事務員さんがね、いつか志信を紹介してね、って。」

「そっか。その人にガッカリされないように、頑張ってイイ男にならないとな。」

「志信は今でも、私にとっては誰よりもイイ男だよ?」

「かわいい事言うな…。」

志信は照れ臭そうに頬をかいた。


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