もっと、君に恋していいですか?
販売事業部は経理部と第一営業部と一緒のバスに乗る事になっていた。

(薫とは別のバスかぁ…。)

志信も薫とは別のバスになる事を残念に思ったものの、石田たちと一緒なので、それはそれで男同士楽しいかな、と思っていた。


志信が販売事業部のメンバーが乗るバスの前で石田たちと一緒に列に並んでいると、後ろから誰かが肩を叩いた。

振り返ると、そこにはえりかがいた。

「笠松さん、おはようございます。」

「あ、おはよう。」

昨日、えりかから二人で飲みに行こうと誘われた時にはハッキリ断らなかったので、変な勘違いをさせてしまったかもと思うと、なんとなく気まずい。

「笠松さん、一緒に座りませんか?」

ニコニコ笑っているえりかに、志信は少し申し訳無さそうに断る。

「いや…。オレは先輩たちと一緒に座るから。それから…昨日、ちゃんと言わなくて悪いんだけど…瀬尾さんと二人では飲みに行ったり出来ないんだ。」


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