もっと、君に恋していいですか?
「なんだ笠松、モテモテだな。」

バスに乗り込み座席に座ると、隣に座った石田がニヤニヤして志信の肩を叩いた。

「そんなんじゃないですよ…。」

「まぁでもあれか、断ったって事は、仲直りしたんだな。」

志信は勘違いをして意地を張っていた自分がなんとなく気恥ずかしくて、ボソボソと答える。

「仲直りって言うか…。一方的にオレが勘違いして意地張ってたんですけどね…。」

「謝ってスッキリしたか?」

「そうですね。変な意地張っても、しんどいだけで何もいい事なかったです。」

「だろうな。素直で正直なところが、オマエの一番の取り柄なんだから。慣れない事すると疲れるんだろ。」

「ですね。今回の事でよくわかりましたよ。」

「まぁ、それがわかって良かったじゃん。」

本来の姿を取り戻した志信に、石田は嬉しそうに笑みを浮かべた。



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