もっと、君に恋していいですか？

途中から話を聞いていた石田が、おかしそうに声をあげて笑いだした。

「好きな女の悪口言われて腹が立たない男なんていないだろ。おまけに自分の事まで物好き呼ばわりされたら、いくらなんでも怒るって。なぁ、笠松。」

「石田さん、笑いすぎです。」

志信がたしなめても、石田はまだ笑っている。

「これからは笠松を誘わない方がいいぞ。コイツ、かわいい彼女の事しか頭にないから。」

「かわいい…？」

「誰が…？」

「失礼な。オレがかわいいって思うのは、彼女だけなんだよ。実際すっげぇかわいいし。」

「ごめん、笠松…。オレには笠松の気持ちがわからない。」

「オレもわからん…。」

同僚たちの反応に、志信はため息をついた。

「……もういいよ、わかってくれなくて。オレだけが知ってればいい事だから。」