もっと、君に恋していいですか?
昼食を済ませてしばらく経ってから、買い物に出掛ける事にした。

薫がスーパーに行く方向に角を曲がろうとすると、志信が手を引いて反対を指さした。

「薫、スーパーに行く前に、モール行こう。」

「何か買い物?」

「指輪、買いに行こうよ。」

志信がそう言うと、薫は少し考えて首を横に振った。

「やっぱり、指輪はいいよ。」

思わぬ薫の返事に、志信は驚いて立ち止まる。

「え…?」

(やっぱりオレの気持ちが重荷になったの?)

不安そうに見つめる志信の手を、薫はギュッと握った。

「志信の気持ちはすごく嬉しいけど…やっぱり今はまだいい。」

「なんで?」


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