もっと、君に恋していいですか?
「いえ…やっぱり卯月さん、スマートなのに胸おっきいしスタイルいいなって。なんか、前にも増して色っぽい体になったような…。」

「な…何言ってんの?!いくら女同士でも、あんまり見られると恥ずかしいから!!」

薫は体を隠すように、慌ててTシャツを着た。

顔を赤くして恥ずかしがる薫の様子を見て、梨花は楽しそうに笑った。

「ごめんなさい。お詫びに背中拭きます。」

「あ…ありがとう…。」

(恥ずかしがる姿見て喜ぶとか…ちょっと志信と似てるな…。長野さん、もしかしてS…?)

梨花に背中を拭いてもらい、着替えを済ませた薫は、今度は鏡を覗き込んだ。

(やっぱり化粧直さないとダメか…。私があんまりみっともないカッコしてると、志信が恥ずかしい思いするよね…。)

薫がバッグから取り出したあぶらとり紙でコソコソと額や小鼻の辺りを押さえてファンデーションを塗り直していると、梨花が感心したように手元を覗き込んだ。

「あっ、最近は化粧品持って来てるんですね。前までは持ってなかったのに…。」

(ああもう…変なところばっかり…。)

薫は小さくため息をついた。


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