もっと、君に恋していいですか？
波乱と自信喪失のビアガーデン
薫と後輩たちは更衣室を出て、待ち合わせの喫煙室に向かった。

「かなり待たせちゃったかな…。」

いつもはただ着替えるだけで帰り支度に時間のかからない薫だが、今日は汗だくになった体を拭いたり、化粧直しをしたりしていたので、他の女子社員と同じくらい時間がかかってしまった。

（世の中の女性はみんな、普通に毎日あんな感じなのかな…？）

誰かが見ているとも限らないのに、人前に出る時は誰に見られても恥ずかしくないようにキレイにしている女性はスゴイと薫は思う。

（私ってやっぱり女として全然ダメだな。さっき長野さんに貸してもらったやつ、私も買いに行こう。）

薫たちが喫煙室に着く頃には、志信たちは既に喫煙室の外で待ちくたびれていた。

「お待たせ。ごめんね。」

「待ちくたびれた。早く行こう。」

待ちくたびれたと言いながら、志信は嬉しそうに笑っている。

そんな志信の様子を、石田たちはニヤニヤして見ていた。


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