もっと、君に恋していいですか?
石田に促され、薫はしぶしぶ自己紹介をする。

「笠松くんと同期です。卯月 薫、8年目で30歳です。…これでいいですか?」

薫が30歳と言うと、石田は嬉しそうに笑った。

「あ、卯月さんはもう三十路なんだね。」

「誕生日が5月なので。」

焼きそばを頬張りながら無愛想に答える薫に、志信は笑いを堪えた。

「そうかぁ、卯月さんもオレと同じ30代なんだなぁ。なんかホッとしたわ。」

ビールを飲み干しておかわりをオーダーした薫は、販売事業部の男たちに目を向けた。

「そちらも自己紹介しますか?」

「じゃあ、オレからね。10年目の石田 和成です。先月32になりました。」

「11年目の前川 亮太です。高卒なんで、今年29になります。」

「6年目の三井 雅司です。28です。篠塚さんと同期です。」

みんなの自己紹介を聞きながら、まるで合コンのようだと志信はビールを飲んでいた。



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