もっと、君に恋していいですか？

電話を切って、スマホの充電が残り少ない事に気付いた薫は、スマホを充電器に差し込んだ。

急いで身支度を整え、パンをかじりながら数日分の着替えをバッグに詰め込んだ。

車のキーと着替えの入ったバッグを手に家を出て車に乗り込み会社に寄った。

SS部のオフィスでは、青木部長と数人の管理職がスタッフ集めにあちこちのSSと連絡を取っていた。

薫の姿に気付いた青木部長が申し訳なさそうに声を掛けた。

「卯月くん、悪いね。泊まる所の手配が出来たら連絡するから。何かあったらすぐ連絡して。それじゃ頼むよ。」

「わかりました。」

薫は普段仕事で使っているノートパソコンをバッグに入れ、更衣室で安全靴とつなぎを別の袋に詰め込んで加賀美SAへ向かった。