もっと、君に恋していいですか?
高速に乗って2時間ほど車を走らせ、加賀美SAに到着した時には11時になろうとしていた。

夕べから働いている夜のスタッフが、足りないスタッフの穴埋めに、疲れた顔で作業に当たっていた。

「お疲れ様です。SS部の卯月です。」

女性の事務員に声を掛けると、ホッとしたように薫の手を握った。

毎年、お盆と年末年始の繁忙期にヘルプに訪れる薫の仕事ぶりをよく知っているので、心底安心したのだろう。

「良かった、卯月さんが来てくれて。マネージャーも食中毒になっちゃってね、昨日の夕方からもう、何がなんだか…。」

「大変でしたね。マネージャーの仕事はこちらでなんとかしますから大丈夫です。」


近くのSSのスタッフが何人かヘルプに来ているので、夜のスタッフの勤務時間が長い者から順に交替してもらう事にした。

地下タンクの残油量を確認してタンクローリーの手配をすると、到着したヘルプのスタッフに指示を出して、混雑したグランドに出て作業に当たった。


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